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『 住宅で資産を 築く国、失う国 』

今回は、私が参加する日本住宅生産性研究会(HICPM)が2004年に発刊した

「住宅で資産を築く国、失う国」より、理事長 戸谷先生の執筆を元に投稿させていただきます。

 

日本では、「住宅を資産形成の手段」とする考えは失われています。

しかし、「住宅を償却資産とする考え方」はとてもおかしい話で、会計帳簿上で価値が消滅した

資産であっても、当然ですが市場で取引価格はゼロにはならない。

資産価値の計測単位は、価格でありそれを決定するのは市場の需給関係です。

取引される理由は、需要者にとって効用が認められるからであり、それ以外の理由はない。

 

ほとんどの先進国はじめ韓国、台湾、中国では資産形成になる、ならないの基本的な違いは、

『住宅購入資金』にあります。

これらの国々は、

モーゲージローン(抵当金融)

  物(建物)の価値に対して融資するのが原則です。

一方、日本では建物の価値ではなく

クレジットローン

  借り手の信用を担保にしたものです。

 

安全なローンは、年収の2倍多くても3倍と思いますが、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の

フラット35などにより年収の5倍ものローンを組んで住宅を購入しているのが現状です。

おまけに、生命保険に加入することを義務付けられます。

支払いができなければ、生命保険で・・・と言っているわけです。

 

そのうえ、一生のうちには多くのメンテナンス会社が、あの手この手で不必要なリフォームを

勧めます。結果、一生ローンと格闘しながらスクラップするまで住み続けるわけです。

戦後と違い雨梅雨しのぐ家ではありません。

もっと、一生がenjoyできたらと思いませんか。

 

世界は、急スピードで変貌を遂げています。

建て替えなどを考えるスクラップ時期とも重なる35年ものローンを組んで大丈夫でしょうか。

 

一生住むということは、子育てが終り、歳を重ねることにより生活スタイルも変わりますので

生活に合わせたリモデリングも必要です。

また、建物も経年で劣化してきますのでメンテナンスも必要です。

 

皆さん一生この家に住む覚悟はできていますか

 

 

さて、外国はどうでしょう。

最近も書きましたが、日本では一生を同じ家に住みますが、アメリカの例をとると平均で6回も

住処を持つようです。

「スターターハウス」から始まって、「子育て」に良い環境、最後は「終の住処」と自分に合わせた一番良い環境に住むわけです。

なぜそんなことができるのでしょうか。

日本では理解できないことですが、住宅は資産であり価値が上がっていくからです。

 

 

【日本の数十倍ある中古住宅市場】

アメリカでは、600~800万戸(年によって違いはあるようですが)

日本では、20万戸以下のようです。

 

日本人は、新築を好む傾向があるようですが、

アメリカではexiting house( 既存住宅)、日本ではused house(中古住宅)の位置付けです。

●アメリカ

exiting house( 既存住宅)・・・寿命が長く、経年でも価値の低下の程度が少なく場合によっては

               上昇

●日本

used house(中古住宅)・・・寿命が短く、経年で価値が低下

 

住宅が市場で重視される条件は、そこに住んで享受できる『生活の3要素』です。

  1. 1. 立地(ロケーション) 
  2. 2. 生活の利便性  
  3. 3. 安全

 

住宅価格は、本来建物本体でなく上記の「生活の3要素」によって決まるもので、中古住宅流通の

大切な要素は、住宅そのものよりもこの3要素が揃いそこに住みたいと思う環境です。

わかりやすい例は、近所に半社会的な人や嫌な人がいればどんなに立派な家でも結果は想像できますよね。

 

 

日本では、人口減少と戦後建てられた多くの粗悪な建物を含め、2030年には2000万戸を越すと試算されている空き家問題があります。

世帯数を考えますと、3軒に1軒は空き家。とても想像できませんが現実です。

団塊の世代も、あと5年で75歳。

 

適材適所のメンテナンスが必要で、各業者の専門知識も必要ですが、業者も最近の大手の偽装など

善意の人ばかりではありません。

 

一生のプランを立て賢く自分で家を守るしかないのでは