高齢者「きしむ終の棲家」
今、高齢者が安心して住宅に住めなくなってきています。
持ち家の修繕費の負担は、どんどん増え続けているようです。
長寿化によって修繕回数が増え、工事単価も年々上昇する二重苦の様相となっています。
総務省の家計調査では、世帯主の年齢が60歳以上の2人以上世帯の持ち家率は、2021年で90%以上を確保しているそうです。
ところが、落とし穴もあります。
屋根や外壁塗り替えといった、長寿になったことによって修繕回数が増えているという現状があります。
しかも、最近の物価上昇でさらなる大幅な修繕費高騰が予想されます。
また、業者による売り上げ維持のための工事の提案など、「高齢者に本当に必要な工事なのか?」と、リフォーム内容には賢い判断が必要になってきます。
賃貸住宅でいうと、オーナーの70%が高齢者の入居に拒否感を示しています。
入居中の高齢者の認知症でトラブルや孤独死などで、その後の賃貸が難しくなるためです。
また、オーナー自身の高齢化も影響していると聞きます。
長期間に渡って投資回収が難しいこと、バリアフリーなどの工事に慎重になり高齢者に適した物件が増えにくい現状もあります。
戦後の日本の復興に貢献してきた高齢者の「終の棲家」の環境は、本当にこれでいいのでしょうか。